タイムアウトの試験的導入について

2013年09月29日 16:11

諫早市卓球協会では、7月の松本杯、9月の中地区中学校対抗卓球大会において、試験的にタイムアウトを導入いたしました。概略について報告いたします。

<大会運営概要(松本杯)>

大会日時:平成25年7月14日(日)

開始9:50→終了15:05(最後は一般女子シングルス)

大会会場:諫早市小野体育館

使用台数:30台

参加人数:204名(大会申込者数)

 

<状況説明>

※参加人数は昨年279名から204名と減少した。

※終了時刻は昨年16:45から15:05に短縮された。

※タイムアウトは各種目準々決勝から導入した。

※タイムアウトを計測するためのストップウォッチは準備しなかったので、主審の裁量に任せた。

※タイムアウト取得を示す「ホワイトカード」も準備しなかった。

※該当する試合で各選手がタイムアウトを取ったかどうかは記録されていない。

※大会審判長は、壮年男子準々決勝で2試合(計3回)、壮年男子準決勝で1試合(計2回)、壮年男子決勝で1試合(計2回)、一般女子準決勝で1試合(計1回)、一般女子決勝(計2回)タイムアウトが取られたことを目視で確認した。

<考察>

・タイムアウトによる極端な進行遅延はなかった。

・ストップウォッチとホワイトカードも準備しなかったが、特に混乱はなく運営に問題はなし

・試合中の緊迫したところで、タイムアウトを利用して劣勢を盛り返す場面があった。

・マッチポイントを握って、タイムアウト。→一気に勝負を決める場面があった。

 

<大会運営概要(中地区中学校対抗)>

大会日時:平成25年9月16日(月)

     開始9:40→終了18:45(最後は2年生女子)

大会会場:諫早市小野体育館

使用台数:30台

参加チーム数:92チーム

 

<状況説明>

※参加人数は昨年69チームから92チームと大幅に増えた。

※タイムアウトは決勝のみ導入した。

※ストップウォッチは準備しなかったので、主審の裁量に任せた。

※タイムアウト取得を示す「ホワイトカード」も準備しなかった。

※1年男子決勝では、片方のチームが一番の選手でタイムアウトを取った。

※2年男子決勝では、、両チームとも3試合でそれぞれタイムアウトを取った。

※1年、2年女子決勝では、両チームともにタイムアウトは取らなかった。

 

<考察>

・最も遅かった2年女子決勝では両チームともタイムアウトを取っていないので、試合終了時刻が遅くなったのはタイムアウトの影響ではない。

・今回も松本杯同様、タイムアウト運営に必要なストップウォッチとホワイトカードも準備しなかったが、特に混乱はなく運営に問題なし。

・以下、決勝戦を戦った選手や指導者の感想

「一試合のみタイムアウトを使った。流れが変わりかけたので効果はあったと思う。(残念ながらこの試合は結果的に落とした。)ほかの試合でも『取りたいな…』と思った場面が数か所。でも、『後でもっと大切な場面が来るかも…』と考えて保留しているうちに試合が決まってしまった。決勝以前の試合で『タイムアウトが取りたいな…』と思う場面があった。特に、予選リーグで波に乗り切れていない場面で(使えるなら)使ってみたかった。タイムアウトが取れる試合が増えたらいいと思う。もっと勉強したい。」

「流れがうちに来ていた。勢いを切りたくなかったのであえて取らなかった。ダブルスの時は一回『取ろうかな…』と迷ったが、我慢した。(結果的にこの試合は取った)タイムアウトは重要な技。運営に影響がない範囲で積極的に導入してもらいたい。」

「九州大会や全国大会では当たり前にある制度。選手、監督が慣れるためにも運営に影響がないのであれば、多くの大会で導入されるべき。」

「積極的に使った。試合にいい影響があったと思う。」

・九州大会、全国大会の経験があるチームはタイムアウトを積極的に活用した。

・顧問・コーチも、結果的に使う人は少なかったのですが、タイムアウトそのものには肯定的。コーチすべてが「使おうかどうか迷った」と発言した。それぞれの頭の中に「戦略的な思惑」がプラスされることにより、コーチングの思考の質を向上させる一助になったものと思われる。

 

 タイムアウトはマッチの行方を左右する、きわめて重要な戦略的要素です。残念ながら、現状は「大会の時間を短縮するためにタイムアウトは適用されない」大会がほとんどです。この状況で長崎の選手が全国大会に出場すれば、大いに不利になることでしょう。ぜひ県内の多くの大会でタイムアウト制を導入するべきであると思います。そして技術面だけでなく、タイムアウトを含めて、「ゲームを作る能力」を鍛えるべきであると思います。